(2006冬 季刊ゴーシュ第8号掲載)
「のだめカンタービレ」TVドラマ版が始まった。コミックの頃から大ブームの予兆はあったが、音大とオーケストラが舞台のトレンディードラマ(死語?)がここまで人気を博すとは。これを機に絶滅種と言われて久しいクラシック音楽が一気に注目されればいいと思う。モーツァルト・イヤーも期待が大き過ぎたせいか今ひとつ盛り上がりに欠けた感があった。今回こそ J -ポップを駆逐する勢いで巻き返しを図りたいものだ。
ある楽器店には”のだめ”コーナーが出現し、コミックやグッズと一緒に、千秋が指揮したという得体の知れないCDまで売られていた。多少のあさましさはオッケーである。いやむしろ頼もしい。なにしろ種の保存を賭けた闘いなのだから。
さて、わたしたちクラヲタとしては、のだめと千秋の恋の行方に気を取られて漫然とドラマを眺めているだけではつまらない。ドラマ挿入のクラシック曲を解析し、細部に至るまで入念にチェックしよう。
札響の楽員達と初めてコミックを読んだ時、音楽関係のディテールの正確さに皆で唸らされた。今回のTVドラマ化で、そこがどう表現されているのか気になるところである。
まずドラマ冒頭にかかったドヴォルザークの「チェコ組曲」。超どマイナーなこの曲を最初に持ってきた制作者のクラヲタに対する挑戦的、挑発的態度はかなりのものである。思わず身構えてしまった。その後は「くるみ割り人形」や「ラプソディー・イン・ブルー」のような、いわゆる名曲が続きほっとしたが、なかなかの選曲センスである。認めよう。
そしてシュトレーゼマンを演じる竹中直人の指揮真似はさすがであった。実際のオーケストラ、たとえば札響でやったとしても曲の冒頭など、かなりいい音が出ちゃったりして・・・。 本当に呼んでみたらどうだろう。
まあ話題は尽きないが、私の、このワ・タ・シの運営する大人気サイトにもブームを煽るべく”のだめ”コーナーを作ってみた。大々好評なので是非見に来ていただきたい。え?自サイトの宣伝はあさましい?。だから今回はオッケーなのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿